ユマニチュードとは?認知症ケアに重要な4つの柱と5つのステップ

ユマニチュードとは
介護をするなかで「ユマニチュード」という言葉を聞いたことのある方も多いでしょう。ユマニチュードはフランス発祥のケア技法で、特に認知症の方に効果的だと注目されています。

ユマニチュードは基本的な技術である「4つの柱」と、ケアの順番を示す「5つのステップ」で構成される技法です。介護を専門にしていない一般の方でも、実践しやすい内容になっています。

今回は「すぐに実践したい」という方に向けて、ユマニチュードの考え方や「4つの柱」「5つのステップ」の内容を紹介します。


ユマニチュードとは
ユマニチュードは、フランスで開発されたケアの技法です。単に技術に特化した方法ではなく「人間とは何か」「ケアする人とは何者か」という哲学にもとづいて生まれました。

「ユマニチュード(Humanitude)」とは「人間らしくある」「人間らしさを取り戻す」という意味を持つフランス語の造語になります。ケアが必要なあらゆる人が対象ですが、特に認知症を持つ方や高齢者のケアで有効と考えられている技法です。

実際にユマニチュードの効果が得られた例として、次のような報告があります。

  • 数年間、寝たきりだった方が自分で立てるようになった
  • 攻撃的と思われていた方がケアを受け入れて笑顔を見せるようになった

ユマニチュードでは「あなたのことを大切に思っています」という気持ちを、言語または非言語のコミュニケーションで伝えることが重視されています。また、コミュニケーションに必要な技術や具体的な手法も定められています。

ユマニチュードは、家族や介護職などケアにあたる方であれば誰でも学んで実践できます。決して専門職だけに限られた技法ではないことも、注目を集める理由の1つでしょう。


ユマニチュードの誕生
ユマニチュードは1979年、フランスの体育学の専門家であるイヴ・ジネストとロゼット・マレスコッティによって提唱されました。

2人は実際にケアの現場に携わるなかで、専門職があらゆるケアをやりすぎていることに気づきました。例えば「歩けるのに車イスを使う」「立てるのに寝たきりで生活させる」という状態です。そこで本人が持つ能力を生かし健康を維持するための技法として、ユマニチュードを生み出しました。

日々のケアで成功したときと失敗したときの違いを研究し、柱となる4つの方法やケアの手順を開発したのです。このように現場での試行錯誤を経て編み出された技術であることも、ユマニチュードの特徴の1つといえます。


日本でのユマニチュードの始まり
ユマニチュードはもともとフランスのケア技法ですので、日本では知られていませんでした。日本で初めてユマニチュードのケアが実践されたのは、2012年のことです。国立病院機構東京医療センター総合内科医であった本田美和子氏が、前年の2011年にフランスを訪れてユマニチュードの考え方を学んだことがきっかけで、日本でもユマニチュードが導入されました。

2014年1月には、日本国内での研修や研究の拠点となる「ジネスト・マレスコッティ研究所日本支部」が発足。2015年にデジタルセンセーション株式会社(現・株式会社エクサウィザーズ)によるユマニチュード研修が始まり、続いて自治体のプロジェクトや大学の研究など徐々に広がりを見せました。

2019年7月には「ジネスト・マレスコッティ研究所日本支部」を前身とする「日本ユマニチュード学会」が設立され、現在もさらなる普及や研究を進めています。


認知症の症状とは
ユマニチュードはケアを受ける方の尊厳を維持することを重視した考え方です。認知症の方にも効果的とされています。認知症の症状には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

認知症の症状は「中核症状」と「周辺症状」の2種類に分けられます。

  • 中核症状: 記憶障害、理解・判断の障害など
  • 周辺症状: 不安・抑うつ、暴力・暴言など

認知症の症状には、思うように意思疎通ができない場合があるため、ケアする側が理解し尊厳を重視することが大切です。


思いを伝えるための「4つの柱」とは
ユマニチュードの根幹にあるのは「あなたは大切な存在です」という思いを伝えることです。ユマニチュードでは「見る」「話す」「触れる」「立つ」という4つの技術を用いて、相手に思いが分かるように伝えます。

これらは「マルチモーダル・ケア」と呼ばれる考え方に基づいています。4つの技術は単独で使うのではなく、組み合わせて実施することが重要です。


ケアのための「5つのステップ」とは
ユマニチュードには「4つの柱」に加えて「5つのステップ」があります。

ケアのための「5つのステップ」とは
ユマニチュードの「5つのステップ」は、ケアを行う際に実践する具体的な方法です。これにより、認知症の方とスムーズにコミュニケーションを取りながら、より良いケアを提供することができます。5つのステップは以下の通りです:

  1. 接近
    ケアを始める前に、相手に自分が近づくときは静かに、優しく接近します。急に近づかず、相手が気づくようにゆっくりと接近することが大切です。
  2. 目線を合わせる
    相手が自分を認識できるように、目線を合わせることが重要です。顔の高さを合わせ、安心感を与えることがコミュニケーションの第一歩です。
  3. 言葉をかける
    相手にやさしく、安心感を与える言葉をかけます。認知症の方が混乱している場合でも、穏やかな言葉で話しかけることで、落ち着きが生まれることがあります。
  4. 触れる
    触れることは、安心感を与える大切な方法です。手を軽く握ったり、肩に手を置いたりすることで、心のケアにもつながります。ただし、相手が不快に感じないよう、適切なタイミングで触れることが大切です。
  5. 動作を一緒に行う
    相手が自分で動作をするのが難しい場合、一緒に手伝いながら行動することが重要です。例えば、食事を一緒に食べたり、歩くときに一緒に歩いたりすることで、相手の自立を促すことができます。

ユマニチュードを実践するためのポイント
ユマニチュードを実践する際には、以下のポイントを意識するとより効果的です:

  • 相手のペースに合わせる
    相手が焦らずに自分のペースで進むことができるように、急がず、必要に応じてペースを調整します。
  • 表情と態度に注意する
    言葉だけでなく、表情や態度も大切です。穏やかな表情と優しい態度で接することが、安心感を与えます。
  • 一貫性を持ってケアをする
    ユマニチュードは一貫性が重要です。毎回同じ方法で接することで、相手に安定感を与えることができます。
  • 感情を共有する
    相手の感情を尊重し、共感を示すことが大切です。相手が不安や怒りを感じている場合、その気持ちに寄り添い、安心感を与えることが重要です。

ユマニチュードは、ケアを行うすべての人々に役立つ技法です。これを実践することで、認知症の方々の生活の質を向上させ、より安心した生活をサポートすることができるでしょう。

円背の方の寝る姿勢・食事の姿勢は?介助者が気をつけること

円背とは

円背とは、腰や背中が大きく曲がっている、いわゆる「猫背」になっている状態のこと。骨盤が後ろ側に傾き、顔を上に向けて前方に顎を突き出す姿勢が特徴的です。

円背は進行すると仰向けで寝られず、自力での寝返りが難しくなり、褥瘡リスクが高まります。また、食事の姿勢が悪くなることで誤嚥を起こすかもしれません。そのため、円背の方の介助では、寝る姿勢や食事の姿勢に配慮しましょう。

円背の原因

高齢者の円背は、加齢に伴う身体の変化が原因です。筋力の低下や圧迫骨折、骨の摩耗や変形、長年の不良姿勢が影響します。特に女性は閉経後の骨粗鬆症リスクが高く、圧迫骨折を繰り返して円背が進行することが多いです。

円背の姿勢になると寝る姿勢・起きる姿勢が難しい

円背の方は前傾姿勢のまま固まってしまうので、重心の移動が難しく、バランスを崩しやすいです。寝る際は後方へ、起きる際は前方への転倒・転落のリスクが高くなります。

円背の方の寝る姿勢 注意点は

円背の方は安楽な姿勢でないと身体が疲れやすく、休めません。また、長期間同じ姿勢でいると褥瘡のリスクも上がります。寝返りを自力で打ちにくいため、側臥位で寝ることが多く、褥瘡が起きやすいので注意が必要です。

枕の注意点

円背の方が仰向けの姿勢を取るためには、通常の枕よりも5ミリから20ミリほど高いものが適しています。仰向けが苦手な場合、タオルで高さを調整しましょう。

ベッドの注意点

柔らかいマットレスやエアマットは避け、通常のマットレスにクッションを使用して褥瘡を予防しましょう。

円背の方の食べる姿勢の注意点

円背の方は、首が前に大きく傾いて顎が突き出ているため、飲み込みにくさがあります。誤嚥を防ぐためには、適切な姿勢をとれるように介助が必要です。

正しい食べる姿勢

両足を床や足置き台にしっかり接地させ、背中を後ろ側に倒すようにします。腰と背もたれの隙間にクッションを入れると、食事が楽に摂れます。

円背の方の食事介助の注意点

無理な姿勢を取らせないよう、立って食事介助をするのではなく、座って行いましょう。また、食事時間は30~40分を目安にし、飲み込んだことを確認してから次の一口を入れることが大切です。

円背の方の食べる・寝るのNG行為

座面の大きい椅子に浅く座ると、仙骨に体重がかかり、顎が上がるため誤嚥のリスクが高まります。また、高すぎるテーブルも食べ物を口に運びにくくなるため、注意が必要です。

まとめ

円背の方の介助では、寝る姿勢や食事の姿勢に十分配慮し、誤嚥や褥瘡などのリスクを避けることが重要です。姿勢を調整するためにクッションや枕を使うこと、適切な介助を行うことが、円背の方の生活を安全で快適に保つためのポイントです。

来年度より改正!介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化

厚生労働省が公表した「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律の概要」に基づき、介護に関する改正点を以下にまとめました。

介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化

介護離職を防ぐため、労働者が介護に直面した際に適切な支援を受けられるよう、事業主に対して以下の義務が新たに設けられます。

  1. 個別の周知・意向確認の義務
    • 労働者が家族の介護に直面した旨を申し出た際、事業主は両立支援制度等について個別に情報を提供し、労働者の意向を確認する必要があります。
  2. 早期の情報提供と雇用環境の整備
    • 介護に直面する前の段階から、労働者に対して両立支援制度等に関する情報を提供し、研修や相談窓口の設置など、介護と仕事を両立しやすい環境を整備することが求められます。
  3. 介護休暇の取得要件の見直し
    • これまで、勤続6か月未満の労働者は労使協定に基づき介護休暇の対象外とすることが可能でしたが、今回の改正によりこの仕組みが廃止され、勤続期間に関係なく介護休暇を取得できるようになります。
  4. テレワークの推進(努力義務)
    • 家族を介護する労働者がテレワークを選択できるよう、事業主は環境整備に努めることが求められます。

これらの改正は、2025年(令和7年)4月1日から施行される予定です。

詳細については、厚生労働省の公式資料をご参照ください。

介護をしながら働くビジネスケアラーは今でも増えています。上手に制度や保険外サービスも活用してください。

本改正により、事業主はより積極的に仕事と介護の両立支援を行うことが求められます。企業として適切な対応を行うことで、労働者が安心して働き続けられる環境を整え、介護離職を防ぐことが重要となります。

また、近年は公的な介護保険サービスに加えて、民間の保険外サービスを活用する動きも広がっています。個々の介護ニーズに応じた柔軟なサービスを取り入れることで、仕事と介護の両立がより現実的になります。企業側も、従業員がこうしたサービスを活用しやすいよう情報提供を行うなど、さらなる支援の充実を検討していくことが求められるでしょう。

今後、企業の人事担当者や労働者の皆さんも、改正内容をしっかり把握し、必要な準備を進めていきましょう!

年末年始営業のお知らせ

いつもトイロライフをご利用いただきありがとうございます。年末年始の特別営業日程をお知らせします。

◼︎期間

12月30日から1月3日

◼︎特別料金

基本料金の50%加算

皆様のご理解とご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。
2025年もトイロライフを何卒よろしくお願い致します。

介護保険でできること・できないこと


「介護保険」ではできること・できないことが決まっています。

このようなことはできません。

本人以外の援助 最低限の日常生活に必要のないこと 時間のかかりすぎること
ヘルパーにリスクが及ぶこと 本人が自宅にいない場合

今回は、介護保険でできることとできないことをまとめてみました。
できないことのうちのほとんどは保険外サービスであるトイロライフでは実施できます。
保険内サービスと保険外サービスをうまく組み合わせることで、より充実した生活を送ることができます。

内容できることできないこと
掃除・本人が過ごす場所の部屋、
トイレ、浴室、洗面所、テーブルの上の掃除・整理整頓
・日常的な可燃・不燃ゴミ・リサイクルごみを集積場に持っていく
・本人が使用していない部屋の掃除
・草むしり、花壇の水やりや手入れ
・窓・ベランダ掃除
・ペットの世話や散歩
・換気扇の掃除
・引っ越し準備
・大掃除
・自動車や自転車等の清掃、洗車、給油
洗濯・日常着を洗う・干す・取り込む・収納
・アイロンがけ
・本人以外の洗濯、及び一連行為
・本人以外のアイロンがけ
ベッドメイク・布団干し
・シーツ交換
・本人以外のための布団干し
・本人以外のためのシーツ交換
衣服の整理
被服の補修
・衣類の整理
・ボタン付けやほつれの補修など
・仕立て直し、裾上げなどのおおがかりな裁縫
調理・日常的な一般的調理
・食事の準備・配膳・後片付け
・ご本人以外のための調理
・正月や誕生日などの行事食や特別な調理
買い物・本人分の近隣店舗での日用品、食材(生活必需品)の購入・代金支払い
・薬の受け取り
・遠くのお店で買い物
・ヘルパーが持てない大きな物や重い物。
・タバコやお酒など嗜好品の購入
・宝くじや馬券等の趣味の購入
・危険物の購入
・お歳暮などの購入
・来客用の買い物
・預貯金の引きおろし
・コンビニや銀行での振込用紙の振込代行
その他・お話相手
・留守番
・お見舞い代行
・お墓参り代行
・本人が自宅にいない場合でのサービス
・電球の取り換え
・金銭や貴重品の預かり・管理
内容できることできないこと
排せつ・トイレへの移動介助、見守り・誘導
・排せつ介助
(失禁対応、採尿器等の介助)
・オムツ交換
・医療的管理の必要なことへの介助
(褥瘡の処置・摘便等)
食事・食事介助・見守り
・特段の専門的配慮をもって行う介助
(医療的な食事)
・歯磨き等の口腔ケア
・医療的管理の必要なことへの介助
(経管栄養・痰の吸引・重度の歯周病等)
入浴・入浴介助(全身清拭・部分浴・全身浴)・環境や身体能力により自宅での入浴が
難しいと判断することもあります。
身体整容・洗顔、整髪、口腔ケア、爪切り、ひげ剃り、着替え介助など・散髪
・巻き爪や化膿がひどく対応が難しい場合
・髭剃りが電動髭剃り以外
体位変換
移動・移乗
・体位変換
・移動・移乗介助・見守り介助
通院・外出・乗車、降車のための移動、移乗の介助
(タクシーや公共交通機関に限る)
・車椅子での移動や歩行の介助、付き添い
(必要性について病院への確認が必要)
・受診待ち時間中の付き添い
・本人やヘルパーの車を運転しての送迎
・本人の代わりに医師に説明を受ける
・娯楽・散歩・趣味目的の外出同行
・地域の行事や老人会への外出同行
・お墓参り・法事・結婚式の同行
・美容院への同行
起床・就寝・起床・就寝のための着替えや整容の介助
服薬・服薬介助、飲み忘れの確認
(薬については詳細な要件があります)
・シップの貼り付け
・座薬挿入
・点眼薬の点眼
・服薬管理
・血糖値測定やインスリン注射
(声掛けや見守りは可)
その他・体温計や血圧測定(自動測定器に限る)
・車いす・徒歩での日常的な外出への付き添い
(銀行・郵便局・区役所・買い物等)
・入院中の付き添い
・家族に代わっての入院や手術などの同意
・単なる見守り
・単なる散歩
・仕事の手伝い

上記以外にもヘルパーにはできること・できないことがあります。
家族が同居しているか、していないか、各市区町村の判断でも異なります。サービスの提供時間も定められていますので、まずは担当のケアマネジャーや事業所までご相談ください。

トイロライフは富裕層向けサービスではありません。

トイロライフは介護保険を利用しない、自費によるサービスを専門としたサービスです。
保険外専門というと、富裕層向けのサービスだ思う方、いいイメージを持たない方も多くいるでしょう。しかし、私たちはこれからの在宅介護にとって欠かせないサービスとなると考えています。

1. 保険外サービスは富裕層向けサービスではない
保険外専門のサービスと説明すると「富裕層向けサービスでしょ」「福祉の心はどこにいったの?」と言われることがあります。

トイロライフを利用してくれる方の1ヶ月の顧客単価は3~5万円前後です。

また、定期利用だけではなく、必要な時にだけ手を借りるという利用の仕方もあります。

一般的に1ヶ月にかかる介護費用は、平均5万円と言われています。
トイロライフの平均利用単価を足しても9万円です。1ヶ月の有料老人ホームにかかる費用が20万円とすると、施設へ入所する経済力があれば気軽にトイロライフを利用することができる計算になります。

したがって、介護保険外=富裕層サービスという誤解は覆されました。実際には、限られた富裕層の人だけでなく一般的な年金収入内でもトイロライフを利用することができます。

この誤解を解いて、たくさんの方にトイロライフや介護保険外サービスの魅力を伝え、介護保険サービスと併用することでストレスのない在宅介護の実現をお手伝いしたいと思っています。

2. 介護保険外サービスの価値は「スピード」と「クオリティ」と「オーダーメイド

スピードとは、依頼からご利用までの速さです。
保険内サービスを利用するにはまず要介護認定を受けてケアプランを作成し利用しますが、トイロライフはお問い合わせをいただければ最短当日に訪問し、サービスを終了後に訪問した先で契約を行います。

もちろん、ホームページからの事前登録、申し込みも可能です。

トイロライフは、介護・看護のご依頼をいただくと、仕事情報を登録スタッフに配信し、対応できるスタッフが応募する仕組みです。

しかし、「クオリティ」も必要です。

利用者が求める介護サービスを提供することができ、接遇ができる相性のあった介護士を派遣する必要があります。

トイロライフでは、登録ケアパートナーの職務経歴保有資格介護・看護スキル等を事前に確認しています。

スタッフが確定すると、顔写真付きのケアパートナーのプロフィールを確認することができ、指名をすることで、気に入ったケアパートナーを継続的に指名することも可能にしています。

また、保険外だからこそできる「オーダーメイド」も大切にしています。
トイロライフは在宅介護・看護を行う家族にとってのワンストップサービスです。

一般的な家事・介護・看護に加え、外出支援、介護美容、定期見守り電話、終末期ケア、子育て支援など様々なサービスをご用意しています。

トイロライフとつながっておけば、いつでも相談できるという安心感があるのではないでしょうか。
これらの価値を届けるために私たちは日々業務を見直し、改善を行っています。

まだまだ、保険外サービスやトイロライフは認知度が低いですが、在宅介護を支えるインフラとなっていくと考えています。

トイロライフの対象地域一覧

トイロライフの対象地域は横浜市全域です!

川崎市や大和市など近隣地域もお問い合わせください!

■鶴 見 区

■神 奈 川 区

■西 区

■中 区

■南 区

■港 南 区

■保土ケ谷区

■旭 区

■磯 子 区

■金 沢 区

■港 北 区

■緑 区

■青 葉 区

■都 筑 区

■戸 塚 区

■栄 区

■泉 区

■瀬 谷 区

老老介護・認認介護とは?初心者にもわかりやすく解説

 近年、日本社会では高齢化が進み、さまざまな介護の形態が問題視されています。その中でも特に注目されているのが「老老介護」と「認認介護」です。これらは聞きなれない言葉かもしれませんが、私たちの生活にも深く関わる重要な問題です。本記事では、これらの概念や現状、問題点、そして解決策について、初心者でも理解しやすいように詳しく解説していきます。

老老介護・認認介護とは?

老老介護とは

老老介護とは、高齢者が同じく高齢者を介護する状況を指します。具体的には、例えば70代の夫が同じく70代の妻を介護するといったケースです。日本の平均寿命が延びる中で、このような状況はますます増加しています。

例えるなら、疲れやすい長距離走者が、同じく疲れた仲間を支えながら走り続けるようなものです。どちらも体力的に余裕がないため、負担が大きくなります。

認認介護とは

一方、認認介護とは、認知症を患っている高齢者同士が介護し合う状況を指します。これは老老介護よりもさらに深刻な問題で、介護者自身も適切な判断やケアができない状態であるため、さまざまなリスクが伴います。

これは、視力の弱い人が暗闇で道案内をするようなもので、お互いに助け合いたい気持ちはあっても、適切なサポートが難しい状況です。

老老介護の実態

介護者の状況

老老介護の現状を見ると、多くの高齢者が自分自身も健康上の問題を抱えながら、パートナーや家族を介護しています。体力や健康面での不安を抱えつつも、他に頼れる人がいないため、自分たちだけで介護を続けざるを得ない状況が多く見られます。

例えば、腰痛を抱えるおばあちゃんが、足が不自由なおじいちゃんの世話をしているといったケースです。おばあちゃん自身も痛みと戦いながら介護を行うため、双方にとって非常に負担が大きくなります。

老老介護・認認介護の問題

体力的な負担

高齢者同士の介護は、体力的な負担が非常に大きいことが問題です。若い世代と比べて体力や筋力が低下しているため、介護作業が大きな負担となり、介護者自身の健康を損なうリスクが高まります。

例えば、重たい介護用ベッドの調整や、要介護者の体位変換など、若い人でも大変な作業を高齢者が行うのは非常に困難です。これが続くと、介護者自身が倒れてしまう「共倒れ」の危険性も高まります。

精神的な負担

また、精神的なストレスも大きな問題です。介護は24時間体制になることも多く、休む間もなく世話を続けることで、精神的な疲労や孤独感が増していきます。これがうつ病や認知症の発症リスクを高める要因にもなります。

たとえると、一人で重い荷物を持ち続けるようなものです。最初は何とか持てても、時間が経つにつれて心も体も疲れ切ってしまいます。

老老介護・認認介護の原因

平均寿命と健康寿命の延伸

平均寿命が延びる一方で、健康寿命(健康で自立した生活ができる期間)はそれほど延びていません。この差が生じることで、介護が必要な期間が長くなり、結果として高齢者同士の介護が増加しています。

これは、車の寿命が延びても、定期的なメンテナンスが必要になる期間が長くなるようなものです。長く使える一方で、手間も増えてしまうという状況です。

社会的な要因

核家族化地域コミュニティの希薄化も大きな原因です。昔は大家族で助け合いながら介護を行っていましたが、現在では子供が遠方に住んでいたり、一人暮らしの高齢者が増えていたりするため、身近に頼れる人がいない状況が多くなっています。

これは、助け合う仲間がいない中で、一人で大きなプロジェクトを抱えるようなものです。サポートがないため、負担が集中してしまいます。

老老介護・認認介護の解決策

地域包括支援センターへ相談する

地域包括支援センターは、高齢者やその家族が抱える問題について総合的にサポートしてくれる機関です。ここでは、専門のスタッフが介護に関する相談に乗ってくれ、適切なサービスや支援策を紹介してくれます。

これは、困ったときに何でも相談できる「地元の頼れるお医者さん」のような存在です。一人で抱え込まず、まずは相談してみることが大切です。

介護サービスの利用を検討する

デイサービス訪問介護ショートステイなど、さまざまな介護サービスを利用することで、介護者の負担を軽減できます。これらのサービスは、専門のスタッフが介護をサポートしてくれるため、安心して利用できます。

例えば、家事で忙しいときに家政婦さんをお願いするような感覚です。プロに任せることで、自分自身も休息を取ることができます。

施設への入居を検討する

場合によっては、介護施設への入居も選択肢の一つです。専門的なケアが受けられる環境で生活することで、要介護者の生活の質を向上させるとともに、介護者の負担も大きく軽減されます。

これは、特別なケアが必要なときに、専門病院に入院するようなものです。適切な環境で適切なケアを受けることで、双方の負担を減らすことができます。

まとめ

老老介護・認認介護は、高齢化社会が抱える深刻な問題です。しかし、一人で抱え込まずに、適切なサポートやサービスを利用することで、その負担を大きく軽減することができます。私たち一人一人がこの問題を理解し、周囲と協力しながら解決策を見つけていくことが重要です。

人生100年時代と言われる現代、長く生きることだけでなく、質の高い生活を送ることが求められています。そのためには、社会全体で支え合い、助け合う仕組みを活用していくことが大切です。

褥瘡(床ずれ)の評価と看護におけるNPUAP分類の活用

褥瘡(床ずれ)は、長時間同じ体位でいることで皮膚やその下の組織に圧力がかかり、血流が阻害されて発生する傷です。褥瘡の重症度や進行度を正確に評価し、適切なケアを提供するためには、NPUAP分類が非常に役立ちます。このブログでは、NPUAP分類の詳細とその活用方法について説明します。

1. 「NPUAP分類」は何を判断するもの?

NPUAP分類とは?

NPUAP分類(National Pressure Ulcer Advisory Panel Classification)は、褥瘡の深さと進行度を評価するための標準的なシステムです。この分類は、褥瘡の重症度を判断する際に使用され、以下の4つのステージに分かれています。それぞれのステージは褥瘡の状態に応じた治療方法を決定するために重要です。

ステージⅠからステージⅣまでの概要

  1. ステージⅠ(カテゴリⅠ):皮膚が赤くなり、圧力をかけた部分が白くならない状態です。皮膚の色が変わっているだけで、皮膚に開放的な損傷は見られません。この段階で適切なケアを行うことで、褥瘡の進行を防ぐことができます。
  2. ステージⅡ(カテゴリⅡ):皮膚の表層が破れて、部分的な欠損や水疱が見られる状態です。皮膚が浅く損傷しており、適切な処置をしないと進行する可能性があります。
  3. ステージⅢ(カテゴリⅢ):皮膚の全層が欠損し、皮下組織まで達している状態です。傷が深く、創傷が広がることで、より専門的な治療が必要になります。
  4. ステージⅣ(カテゴリⅣ):皮膚だけでなく、筋肉や骨まで損傷している状態です。褥瘡が非常に深く、骨や筋肉が見えることもあります。最も重度の状態で、外科的処置や専門的な治療が求められます。

褥瘡の進行度を正確に把握することは、適切な治療を選択するために欠かせません。たとえば、ステージⅠの発赤が見られる場合には、圧力を軽減するための体位変換やスキンケアを行うことで、さらなる悪化を防ぐことができます。

2. 「NPUAP分類」はこう使う!

ステージ別の看護ケア

ステージⅠのケア

  • 体位変換: 圧力がかかっている部位を定期的に変えることで、血流の改善を図ります。通常、2時間ごとに体位を変えることが推奨されています。
  • スキンケア: 皮膚を乾燥させないように保湿し、清潔を保つことが重要です。乾燥や湿疹を防ぐために、優しい洗浄剤を使用し、保湿クリームで皮膚をケアします。

ステージⅡのケア

  • ドレッシングの使用: 部分的な欠損や水疱には、ハイドロコロイドドレッシングなどの湿潤環境を保つドレッシングが推奨されます。これにより、傷が乾燥するのを防ぎ、治癒を促進します。
  • 感染予防: 創傷が浅いとはいえ、感染のリスクがあるため、清潔な環境を保ち、適切なドレッシング材を使用します。

ステージⅢのケア

  • 創傷の管理: 深い欠損があるため、創傷の深さを把握し、適切なドレッシング材を選択する必要があります。ハイドロジェルやアルギン酸など、創傷の状況に応じた材料を使用します。
  • 感染制御: 深い創傷には感染のリスクが高いため、抗菌剤を含むドレッシングや感染の兆候を見逃さないようにします。

ステージⅣのケア

  • 外科的治療: 重度の褥瘡では、外科的処置が必要になることがあります。壊死した組織の除去や、必要に応じて皮膚移植が行われることもあります。
  • 栄養管理: 褥瘡の治癒には、適切な栄養が必要です。高カロリーで高タンパクな食事を提供し、栄養不足による回復の遅延を防ぎます。

褥瘡のステージに応じたケアを行うことで、傷の進行を防ぎ、回復を促進することができます。たとえば、ステージⅣの褥瘡には、専門的な治療が必要ですが、早期に適切なケアを行うことで、より良い結果が得られる可能性が高まります。

3. 「NPUAP分類」を看護に活かす!

看護師の役割と教育

看護師は、褥瘡の評価とケアにおいて中心的な役割を果たします。NPUAP分類を用いることで、褥瘡の状態を正確に把握し、適切な治療法を選択できます。また、看護師は患者やその家族に対して褥瘡の予防方法やケアの重要性を教育し、リスクを最小限に抑えることが求められます。

ケーススタディと実践

ケーススタディ1: ステージⅠの褥瘡

背景: 長時間ベッドに横たわっていた高齢者が、仙骨部に発赤を示した。 対応: 体位変換を2時間ごとに行い、皮膚の保湿を徹底。発赤が見られる部分を圧迫しないように、体位変換を適切に行う。

ケーススタディ2: ステージⅢの褥瘡

背景: 長期間の圧迫により、皮膚が深く損傷している状態。 対応: 創傷の深さに応じたドレッシングを使用し、感染の兆候を常にチェック。必要に応じて外科的処置を検討する。

教育と予防

看護師は褥瘡の予防について患者やその家族に教育を行います。体位変換の方法や、体圧分散寝具の使用について説明し、日常生活での注意点を伝えることで、褥瘡の発生リスクを減少させます。

引用・参考文献

  • NPUAP/EPUAP分類による褥瘡のステージ分類(2024年版)
  • DESIGN-R®2020による褥瘡の深達度分類
  • 褥瘡ケアに関する最新ガイドライン