円背とは
円背とは、腰や背中が大きく曲がっている、いわゆる「猫背」になっている状態のこと。骨盤が後ろ側に傾き、顔を上に向けて前方に顎を突き出す姿勢が特徴的です。
円背は進行すると仰向けで寝られず、自力での寝返りが難しくなり、褥瘡リスクが高まります。また、食事の姿勢が悪くなることで誤嚥を起こすかもしれません。そのため、円背の方の介助では、寝る姿勢や食事の姿勢に配慮しましょう。
円背の原因
高齢者の円背は、加齢に伴う身体の変化が原因です。筋力の低下や圧迫骨折、骨の摩耗や変形、長年の不良姿勢が影響します。特に女性は閉経後の骨粗鬆症リスクが高く、圧迫骨折を繰り返して円背が進行することが多いです。
円背の姿勢になると寝る姿勢・起きる姿勢が難しい
円背の方は前傾姿勢のまま固まってしまうので、重心の移動が難しく、バランスを崩しやすいです。寝る際は後方へ、起きる際は前方への転倒・転落のリスクが高くなります。
円背の方の寝る姿勢 注意点は
円背の方は安楽な姿勢でないと身体が疲れやすく、休めません。また、長期間同じ姿勢でいると褥瘡のリスクも上がります。寝返りを自力で打ちにくいため、側臥位で寝ることが多く、褥瘡が起きやすいので注意が必要です。
枕の注意点
円背の方が仰向けの姿勢を取るためには、通常の枕よりも5ミリから20ミリほど高いものが適しています。仰向けが苦手な場合、タオルで高さを調整しましょう。
ベッドの注意点
柔らかいマットレスやエアマットは避け、通常のマットレスにクッションを使用して褥瘡を予防しましょう。
円背の方の食べる姿勢の注意点
円背の方は、首が前に大きく傾いて顎が突き出ているため、飲み込みにくさがあります。誤嚥を防ぐためには、適切な姿勢をとれるように介助が必要です。
正しい食べる姿勢
両足を床や足置き台にしっかり接地させ、背中を後ろ側に倒すようにします。腰と背もたれの隙間にクッションを入れると、食事が楽に摂れます。
円背の方の食事介助の注意点
無理な姿勢を取らせないよう、立って食事介助をするのではなく、座って行いましょう。また、食事時間は30~40分を目安にし、飲み込んだことを確認してから次の一口を入れることが大切です。
円背の方の食べる・寝るのNG行為
座面の大きい椅子に浅く座ると、仙骨に体重がかかり、顎が上がるため誤嚥のリスクが高まります。また、高すぎるテーブルも食べ物を口に運びにくくなるため、注意が必要です。
まとめ
円背の方の介助では、寝る姿勢や食事の姿勢に十分配慮し、誤嚥や褥瘡などのリスクを避けることが重要です。姿勢を調整するためにクッションや枕を使うこと、適切な介助を行うことが、円背の方の生活を安全で快適に保つためのポイントです。