高齢者の中には食事中にむせることが少なくありません。むせの頻度が増えると、誤嚥や肺炎のリスクも高まります。本記事では、むせの原因を理解し、食事の工夫をすることで、安全に食事を楽しむ方法を紹介します。
むせの原因
1. 誤嚥 飲食物が誤って気管に入ることを誤嚥といいます。気管に入った異物を排出しようとする反射が「むせ」です。
2. 喉頭侵入 声帯より手前の気管近くに飲食物が入ってしまう状態です。誤嚥ほどではないものの、むせを引き起こします。
3. 咽頭残留 嚥下後も咽頭に食べ物が残ることがあります。これが原因でむせることがあります。
むせを防ぐ食事の工夫
1. むせにくい食事とは?
むせる食品を完全に避けるのではなく、調理法を工夫し、食べやすくすることが重要です。
むせやすい食品 | 原因 | 対応策 |
---|---|---|
水、お茶、みそ汁、ジュース | サラサラした液体でまとまりにくい | とろみをつける、ゼリー状にする |
雑炊、高野豆腐、フルーツ | 液体と固形物が混ざっている | とろみをつける、ペースト状にする |
ひき肉、かまぼこ、みじん切り野菜 | パラパラしてまとまらない | とろみをつける、つなぎを利用する |
きな粉、粉砂糖 | 粉が喉に張り付く | 水分と混ぜる |
酢の物、柑橘系フルーツ | 酸味が喉を刺激する | 酸味を薄める、ゼリーにする |
熱いお茶、味噌汁 | 湯気が喉を刺激する | 冷ましてから飲む |
麺類 | 噛み切れない・汁がサラサラ | 短く切る、とろみのあるつゆに絡める |
焼き芋、パン類 | パサパサして喉に詰まりやすい | バターやマヨネーズを加える、スープと一緒に食べる |
2. 家族と同じ料理を工夫する
シチューやカレー、あんかけなど、とろみのある料理を活用すると、家族と同じ食事を無理なく楽しめます。
3. 市販のとろみ材を活用する
市販のとろみ材を利用することで、手軽に飲み物や食事にとろみを加えられます。
4. 飲み物のとろみ調整
適切なとろみをつけるためには、ダマができないように混ぜることが重要です。
注意!
- とろみが強すぎると喉に張り付きやすくなり、かえって飲み込みづらくなります。
- 初めてとろみをつける場合は、専門家の指導を受けましょう。
食べ方の工夫
1. 正しい姿勢で食べる
- 背もたれのある椅子に深く腰掛ける
- かかとを床につける
- 股関節とひざを直角にする
- 顎を引き、前かがみの姿勢を保つ
- テーブルの高さを適切に調整する
2. 食事環境の整備
- 一口量が多くならないよう、適切なサイズのスプーンを使う
- 周囲の雑音を減らし、食事に集中できる環境を整える
- 飲み込みづらいものと飲み込みやすいものを交互に食べる(交互嚥下)
食事を楽しむ工夫
1. 「食べない・動かない」の悪循環を防ぐ
食べる量が減ると体力が低下し、さらに食欲が落ちるという悪循環に陥りがちです。適切な食事と運動を心がけましょう。
2. 市販の介護食品を活用
適度なとろみがついた食品や、歯茎でつぶせる柔らかさの食品を取り入れることで、食事のバリエーションが広がります。
3. 外食を楽しむ
最近では、事前に連絡をすれば嚥下困難な方向けのメニューを提供するレストランも増えています。家族や友人との外食を楽しむことで、社会とのつながりを保ちましょう。
4. 特別な日の食事を工夫
おせち料理やケーキなど、伝統的な料理を食べやすい形で提供するお店もあります。特別な日には思い出とともに食事を楽しみましょう。
まとめ
むせや誤嚥を防ぐためには、食事の工夫と正しい食べ方が重要です。食事は栄養を摂るだけでなく、家族や社会とのつながりを深める大切な時間です。食べやすい食事を工夫しながら、毎日の食事を楽しみましょう。