厚生労働省が公表した「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律の概要」に基づき、介護に関する改正点を以下にまとめました。
介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化
介護離職を防ぐため、労働者が介護に直面した際に適切な支援を受けられるよう、事業主に対して以下の義務が新たに設けられます。
- 個別の周知・意向確認の義務
- 労働者が家族の介護に直面した旨を申し出た際、事業主は両立支援制度等について個別に情報を提供し、労働者の意向を確認する必要があります。
- 早期の情報提供と雇用環境の整備
- 介護に直面する前の段階から、労働者に対して両立支援制度等に関する情報を提供し、研修や相談窓口の設置など、介護と仕事を両立しやすい環境を整備することが求められます。
- 介護休暇の取得要件の見直し
- これまで、勤続6か月未満の労働者は労使協定に基づき介護休暇の対象外とすることが可能でしたが、今回の改正によりこの仕組みが廃止され、勤続期間に関係なく介護休暇を取得できるようになります。
- テレワークの推進(努力義務)
- 家族を介護する労働者がテレワークを選択できるよう、事業主は環境整備に努めることが求められます。
これらの改正は、2025年(令和7年)4月1日から施行される予定です。
詳細については、厚生労働省の公式資料をご参照ください。
介護をしながら働くビジネスケアラーは今でも増えています。上手に制度や保険外サービスも活用してください。
本改正により、事業主はより積極的に仕事と介護の両立支援を行うことが求められます。企業として適切な対応を行うことで、労働者が安心して働き続けられる環境を整え、介護離職を防ぐことが重要となります。
また、近年は公的な介護保険サービスに加えて、民間の保険外サービスを活用する動きも広がっています。個々の介護ニーズに応じた柔軟なサービスを取り入れることで、仕事と介護の両立がより現実的になります。企業側も、従業員がこうしたサービスを活用しやすいよう情報提供を行うなど、さらなる支援の充実を検討していくことが求められるでしょう。
今後、企業の人事担当者や労働者の皆さんも、改正内容をしっかり把握し、必要な準備を進めていきましょう!