「認知症」ってどんな病気?
認知症の基本概念
認知症は、脳の機能が障害され、記憶力や判断力が低下する病気です。通常は、日常生活や仕事に支障をきたす程度に進行します。認知症は単なる「物忘れ」とは異なり、進行性であり、時間とともに症状が悪化します。具体的には以下のような症状が現れます。
- 記憶障害:最近の出来事や新しい情報を覚えられなくなります。例えば、昨日の晩御飯を忘れたり、何をしていたか思い出せなくなることがあります。
- 見当識障害:現在の場所や時間、日付が分からなくなることです。たとえば、自分がどこにいるのか、今日は何曜日かが分からなくなります。
- 実行機能障害:計画を立てたり、目標に向かって行動する能力が低下します。これにより、料理を作る際に必要な手順を忘れてしまうことがあります。
加齢によるもの忘れと認知症の違い
加齢によるもの忘れは自然な老化現象の一部です。例えば、誰かの名前を一時的に思い出せなかったり、買い物リストを忘れることがありますが、これらは一般的に問題が深刻ではありません。
一方で、認知症によるもの忘れは、以下のような特徴があります:
- 反復的な忘れ物:同じことを何度も忘れる。例えば、何度も同じ質問をすることがある。
- 生活に支障をきたす:日常生活に大きな影響を与える。例として、服を着る手順を忘れて、着られなくなってしまうことがある。
- 進行性:症状が徐々に悪化し、生活がどんどん困難になる。
認知症の予防って?
認知症予防の基本
認知症の予防には生活習慣の改善が重要です。具体的には以下のような方法があります:
- バランスの良い食生活:脳の健康を維持するために、以下の食品を意識的に摂取することが推奨されます。
- 魚:特に青魚(サバ、サンマなど)はDHAやEPAが豊富で、脳の健康に良いとされています。
- 野菜と果物:ビタミンや抗酸化物質が含まれ、脳を守る働きがあります。
- オリーブオイル:心臓と脳の健康に良いとされ、地中海食に多く含まれています。
- 定期的な運動:ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は脳の血流を改善し、認知機能を保つのに役立ちます。週に150分程度の中程度の運動が推奨されます。
- 過度な飲酒や喫煙を控える:これらの習慣は脳に悪影響を及ぼし、認知症のリスクを高めることがあります。禁煙や飲酒の制限が推奨されます。
- 認知トレーニング:パズルやクロスワード、数独などの脳トレーニングは脳の活性化に役立ちます。また、新しいスキルを学ぶことや趣味を持つことも良いです。
- 人間関係を大切にする:友人や家族との交流は、ストレスを減らし、精神的な健康を保つのに役立ちます。社交的な活動を積極的に行いましょう。
認知症かな?と思ったら?
主な相談先
認知症が疑われる場合、以下のような専門機関に相談するのが良いです:
- かかりつけ医:まずは通常の診療を行っている医師に相談し、認知症の兆候があるかどうか確認します。かかりつけ医が専門医を紹介してくれることがあります。
- 神経内科専門医:認知症の診断や治療に特化した専門医で、詳細な診断を行い、適切な治療方針を決定します。
- 地域包括支援センター:地域での認知症支援を行っているセンターで、情報提供や相談が受けられます。地域のサポートネットワークを活用するのも良いでしょう。
参考:認知症の人のために家族が出来る10ヵ条
- 穏やかに接する:感情的にならず、落ち着いて対応することが大切です。怒りやイライラは症状を悪化させる可能性があります。
- 認知症の理解を深める:病気について学び、理解を深めることで、より効果的にサポートすることができます。認知症の特性や進行を知ることで、適切な対応が可能になります。
- 日常生活のサポート:食事、服薬、入浴などの基本的な生活サポートを行い、できるだけ自立を促します。
- 安全な環境を整える:家の中に転倒の危険がある物を取り除き、安全な生活空間を作ります。例えば、階段に手すりを取り付けたり、床を滑りにくい素材にすることが有効です。
- コミュニケーションを工夫する:簡単な言葉で話し、視覚的なサポートを行うことで、理解しやすくします。例えば、短い文章で説明し、手を使って示すことが有効です。
- 健康的な生活をサポートする:バランスの取れた食事を提供し、運動を促すことで、全体的な健康を維持します。食事の準備や散歩に一緒に出かけることも支援になります。
- ストレス管理:家族自身のストレスを軽減するため、リラックスできる時間を持つことが重要です。ストレスが溜まると、対応が難しくなることがあります。
- 医療機関との連携:定期的に医療機関に通い、適切な治療とケアを受けさせることが大切です。医師との連携を密にし、必要な情報を共有します。
- 社会とのつながりを保つ:地域活動や趣味のグループに参加させ、社会とのつながりを維持できるようサポートします。
- 自分自身もケアする:家族自身が健康であることが、より良いサポートにつながります。休息を取り、サポートを受けることも大切です。
若年性認知症の人へのサポートは?
若年性認知症とは?
若年性認知症は、通常65歳未満で発症する認知症です。高齢者に比べ、症状の進行が早く、仕事や家庭生活に大きな影響を与えます。若年性認知症の主な原因には、アルツハイマー型認知症や
前頭側頭型認知症などがあります。
若年性認知症のサポート
- 早期発見と診断:若年性認知症は早期に発見することで、症状の進行を遅らせることができます。専門の医師による診断と適切な治療が必要です。
- 働きながらの支援:仕事を続けながらの支援を行うために、リハビリテーションやカウンセリング、職場での調整が求められます。例えば、勤務時間の短縮や仕事の内容の変更などが考えられます。
- 社会参加の支援:社会とのつながりを維持するために、支援グループや地域活動に参加する機会を提供します。また、趣味や興味を持つ活動をサポートすることも有効です。
認知症施策推進大綱
認知症施策推進大綱は、政府や地方自治体が認知症対策をどのように進めていくかを定めた政策文書です。大綱には以下のような内容が含まれています:
- 予防策の推進:認知症の予防や早期発見のための啓発活動を行うこと。
- 地域支援体制の整備:地域包括支援センターや認知症カフェなど、地域での支援体制を整備し、認知症の人とその家族を支援します。
- 専門医療の充実:認知症に関する専門的な医療やリハビリテーションの充実を図ります。
- 認知症に関する情報提供:認知症に関する情報を広く提供し、社会全体での理解を深めます。
認知症バリアフリーの取組について
認知症バリアフリーとは、認知症の人が安全に生活できるように、物理的な環境やサービスを整備する取り組みです。以下のような取り組みが含まれます:
- 公共施設の改修:認知症の人が使いやすいように、公共施設に案内表示を設置したり、階段に手すりを取り付けたりします。
- 住宅の改善:家の中に転倒しやすい物を取り除き、滑りにくい床材を使うなど、安全な住環境を提供します。
- 交通機関のバリアフリー化:公共交通機関のバリアフリー化を進め、認知症の人が利用しやすくします。
参考:認知症の人のために家族が出来る10ヵ条
家族が認知症の人を支援するための基本的な方針や行動指針です。認知症の人に対して理解と配慮を持ち、適切なサポートを行うことが求められます。以下に示す10ヵ条を守ることで、より良い支援が可能になります。
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